2014年5月27日火曜日

MBAの価値

近頃、いろいろな人と出会うことがあり
自己紹介の時に、何気なく留学の話を
してしまう。

してしまう、というのは、図らずも、いや、
図っているのだけど、無職という立場を
正当化しているから。

まぁさすがに長い間この身分だからな、
結構図太くなっていて、むしろ、なんで
働いているんですか、なんて聞くほどに
生意気にはなった気がする。

まぁ、ひねくれているというか、方向は
誤っているなと。

さはさりながら、その自己紹介後によく
受ける質問がある。それは
  • 「MBAって意味あるんですかぁ(ニヤリ」
なるもの。以前留学を視野に入れて
考えた末に辞めることにしたって方が
特にこの質問をしてくる。ごもっとも。

まぁ個人的には意味があると思う。
というのも、意味って、留学する人の
目的、価値基準次第だから。そもそも
意味って単語が曖昧すぎる気がする。

ただ、よく注意しないといけないことが
いくつかある。幻想を捨てる、とかね。

卒業生や学校側の話でよくあるのは、
  • 「MBAで人生観が変わった!」
  • 「MBAで成長した!」
  • 「MBAでネットワークが広がった!」
  • 「MBAで希望の職に就けた!」
とか、こんな内容に帰着するもの。他に
HPとかで給与の伸びは必ず目にする。

僕はこれ、ちょっとしたまやかしだなと。

正直、ROIで考えると微妙だな気がする。

MBA2年分の全生活費を合わせると
おそらく2,000万超(費用)。

離職で2年間に失うことになる給与は
一般的に1,000万強?(機会損失)。

合計で3,000万くらい、失う。人によって
もっと多い、4,000万とか。

MBA卒業前後の給料の伸びを年収で
700万円(500万→1200万)と設定すると
5年弱でようやくPay。

伸びの金額は、外資戦略コンサルの
MBAのアソシエイトの給料を想定。

おそらく、外資金融や外資コンサルに
勤めてる人にとってはROIはもっと低い。
(まぁタームをどこにおくかによるけども)

個人的には、甘く想定してる状態でも
金銭的なPayは渋いというか、そのまま
転職した方が生涯年収は高い印象。

3,000万かけてその後いくら稼ぐのか、
分母が大きいだけに、ね…。

また、キャリアトランジションについても、
不安要素は多い。

実質的な就活は1年目にするわけで、
本当に転職したい先に行けるかどうか
怪しい。

これは二つの観点で。第一に、転職を
したい業界が本当に行きたい先なのか
不明確なまま転職をする可能性がある。

第二に、MBAホルダー間の就職合戦に
敗れる可能性がある。まぁこれはいいや。

一点目が、結構重大。

過去の傾向で言えば、目立つコンサルや
投資銀行、足下ではITへの転職、起業が
人気。こうした就職先、とくに前者3つへの
流入が見られる。

卒業生の中には、なんと無しのイメージや
同級生の動向につられて、そうした人気の
就職先に勤める人もいる。

これが危険だと思う。

というのは、卒業後に勤務をする業界の
職務内容・形態などが、事前のイメージと
違った場合のリスクが想像以上に大きい。

だって、就職後に転職するのはきつい。

「離職→MBA→直ぐの転職」ともなれば、
ジョブホッパー感が否めない。といっても
それだけならまだいいけど、転職条件が
厳しくなる。

まず、MBA卒業時点で30手前から30半ば、
という年齢上の制約もつく。

そして、MBA新卒という好条件が失われ
コンピテンシー、経験ベースでの転職に。

すると同業界や留学前の業界に縛られ、
元の木阿弥。


大げさかも知れないけど。

こうしたリスクを負うことを想定しないまま
キャリアトランジションを留学目的の軸に
据えるのは、個人的には恐い。

成長の観点でも、2年間の座学の授業と
ちょとしたプロジェクトで飛躍的は伸びる、
ということは稀だろうし、それだけならば
自国で、該当するOnlineの講座やMBAを
受講するなどで足りそう(あれば)。

じゃあなんで留学するのっていう話になり、
個人的にはすごくシンプルにMBA留学が
3つの観点で意味を成すと判断したから。

ひとつは、小さい頃から留学したいという
気持ちがあって、しないと後悔するから。

もうひとつは、勉強したい分野が日本では
Onlineでも国内大学院でも、求める水準で
勉強できないから。

最後は、全く異なる大勢の人達と交流して
自分がなにを知らないか知りたいから。

それぞれの理由の下位レイヤーのWhyは
ときおり記載してる具体的な話になるので
割愛。

ということで、留学に大きく期待をかけすぎ
本番にネガティブサプライズが起きないよう
自分への戒めとして、よくよく考えようと。

事実ベースで期待値が妥当か、現段階でも
継続して調べておこうと思うのです。

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